MENU

ホコリダニがいちごに及ぼす影響と被害の見分け方や農家向け対策まとめ

目次

ホコリダニがいちごに与える影響とは?症状や被害の見分け方を知ろう

いちごを育てていると、葉や実に異変が現れることがあります。その中でも厄介なのがホコリダニによる被害です。ホコリダニがどのようないちごへの影響を及ぼすのか、主な症状や見分け方について解説します。

ホコリダニがいちごに与える主な影響について

ホコリダニは非常に小さな虫で、肉眼ではほとんど見えません。しかし、いちごの新芽や葉、果実に潜み、細胞の中身を吸い取ることで植物の生育を妨げてしまいます。実際に被害が進むと、若い葉が縮れたり、変形したりして生長が鈍くなります。また、果実の形もいびつになったり、うまく色づかなくなることが多いです。

特に収穫を控える大事な時期に被害が出ると、見た目だけでなく味にも影響が及ぶ場合があります。いちごの収穫量が減るだけでなく、品質が落ちることで販売価格にも影響が出てしまいます。こうした被害を防ぐためにも、早期発見と正しい対策が重要です。

ホコリダニ被害の症状と見分け方

ホコリダニの被害は、最初は葉や新芽の縮れ、変形として現れます。新しく出てきた葉が小さく丸まってしまったり、正常な葉に比べて厚みが増し、表面がざらつくことがあります。さらに進行すると、葉の先端や縁が褐色になり、枯れたような状態になります。

また、果実にも症状が出ることがあり、形がいびつになったり、ツヤがなくなったりします。被害がひどい場合、実そのものが肥大せず、収穫量が明らかに減少します。これらの症状はいちごの生育環境や品種によっても差がありますが、不自然な葉や実の変化を見つけた場合は、ホコリダニの影響を疑ってみることが大切です。

いちご農家のためのホコリダニ対策方法を徹底解説

ホコリダニの被害を防ぐためには、日頃からの管理と早めの対策がポイントです。ここでは、農家の方々が実践しやすいホコリダニの対策方法についてご紹介します。

日常管理でできるホコリダニ対策

まず大切なのは、圃場(ほじょう:畑やハウス)内の衛生管理です。古くなった葉や実、雑草などはホコリダニのすみかになりやすいので、こまめに取り除くよう心がけましょう。また、通気性が悪いと湿度が高くなり、ダニが繁殖しやすくなります。ハウス栽培の場合は、天窓や換気扇を使って空気の入れ替えを意識すると良いです。

さらに、苗の導入時にも注意が必要です。新しく入れる苗は、事前によく観察し、異常がないか確認しましょう。もし疑わしい症状があれば、その苗を使うのは控えた方が安全です。被害が広がる前に、健全な苗のみを使用することで、ホコリダニの侵入リスクを下げることができます。

被害拡大を防ぐための具体的な手順

ホコリダニの発生を確認した場合は、速やかに被害株の周囲にも注意を払い、状態をチェックしましょう。被害が広がっている場合、一部の葉や株ごと除去することで、他の株への伝播を防ぐ効果が期待できます。

また、定期的に葉裏や新芽を観察し、初期症状を見逃さないことも大切です。発生初期であれば、農薬や天敵(天敵昆虫など)の利用と組み合わせることで、被害を小さく抑えることができます。いくつもの対策を組み合わせることで、圃場全体の健康を維持しやすくなります。

いちごのホコリダニ防除に使えるおすすめ農薬とその使い方

ホコリダニが発生した際、効果的に防除するためには農薬を使う方法も有効です。ここでは主な農薬と、使い方のポイントをご紹介します。

ホコリダニ防除に適した農薬の特徴と選び方

ホコリダニに効く農薬は、ダニ専用の薬剤や、いちごにも使える登録がなされているものを選ぶことが大切です。一般的な殺虫剤では十分な効果が得られない場合もあるため、製品ラベルをよく確認しましょう。

農薬を使う際は、以下のポイントに注意してください。

  • 使用する農薬が「いちご」と「ホコリダニ」の両方に適しているか確認する
  • 収穫時期や安全性に配慮し、使用基準を守る
  • 同じ薬剤を繰り返し使い続けず、複数の農薬をローテーションする

このように、適切な農薬の選択と使い分けが、効果的な防除には欠かせません。

農薬の効果を引き出す使い方と注意点

農薬を散布する際は、葉の表面だけでなく、裏側や新芽部分までしっかりかかるように意識しましょう。ホコリダニは隠れやすい場所にいるため、丁寧な散布がポイントです。また、気温や湿度が高い日を避けて、朝夕の涼しい時間帯に作業することで、薬剤の効果を十分に発揮できます。

安全のためには、保護具(手袋やマスクなど)を着用し、使用後は手洗いなどを徹底しましょう。さらに、農薬の使用回数や間隔などは決められたルールを守ることが重要です。定められた以上の回数や量を使うと、いちごや土壌への負担が増すため、注意してください。

■ホコリダニ防除に使える主な農薬(例)

農薬名適用作物主な特徴
コロマイトいちごダニ類に効果
サンマイトいちご幼虫・成虫に有効
アグリメックいちご天敵昆虫にやさしい

いちご果樹園でホコリダニ被害を減らすために今できること

いちご果樹園では、ホコリダニの被害を最小限に抑えるため、日々の観察や環境整備が大切です。現在できる具体的な取り組みについてご紹介します。

圃場全体の環境づくりとスタッフの意識向上

まずは圃場の環境を見直し、ホコリダニの住みにくい条件を作ることが大切です。換気や湿度管理、不要な葉や雑草の除去は基本ですが、スタッフ全員が同じ意識で取り組むことがより効果的です。作業を分担し、毎日違う目でいちごの状態をチェックすることで、異変に早く気づきやすくなります。

また、定期的な情報共有も欠かせません。発生状況や対策の進捗をノートやアプリで記録し、全員で確認できるようにすると、被害の拡大を防ぐ助けになります。

天敵の導入や資材の工夫による予防対策

農薬だけに頼らず、天敵昆虫(ホコリダニを食べてくれる虫)の利用も選択肢の一つです。こうした天敵を圃場に導入することで、薬剤の使用回数を減らし、環境への負担も抑えることができます。

また、被害株を早めに隔離したり、物理的なバリア(防虫ネットなど)を活用したりするのも効果的です。いくつかの方法を組み合わせて、果樹園全体の健康を守りましょう。

■被害拡大を防ぐための予防策まとめ

  • 換気や除草などの日常管理を徹底する
  • 天敵昆虫の定期的な導入を検討する
  • 発生状況をスタッフ間でこまめに共有する

まとめ:ホコリダニからいちごを守るには早期発見と多角的な対策を心がけよう

いちご果樹園にとって、ホコリダニの被害は決して他人事ではありません。被害を最小限に抑えるためには、日々の観察と早期発見、そして多角的な対策が欠かせません。

まずは症状をしっかり見極め、小さな変化にも気づけるように日常から意識することが大切です。その上で、適切な農薬の使用や天敵の導入、圃場環境の見直しなど、いくつかの方法を組み合わせて対策しましょう。スタッフ間の情報共有や記録も、被害を広げないための大きな助けになります。多方面からのアプローチで、大切ないちごをしっかり守り育てていきましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次